
「発達障害」という言葉が知られ始め、もしかしたら自分も?と考える人もいるんじゃないでしょうか。私も気づいたのはここ数年のことで、きっかけはネットでした。
診断を受けるか迷ったら、「何に困っているか、どうしたいのか」や「診断を受けるメリットとデメリット」について一度考えてみることをオススメします。
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まだまだ発達障害が受け入れられにくいこと、ASDの場合は投薬治療がいまのところ無いことから、診断を受けるメリットがないと言う人も。
難しいですよね・・・
私はASD・ADHD併発と診断が下りたんだけど、ADHD治療薬の副作用が酷くて効果が少ないまま治療が終わってしまいました。※人によります
でも、やっぱり自分の特性を理解するきっかけになったし、デメリットもあることを理解していれば診断を受けるメリットの方が大きいんじゃないかな、と思います。
こんな人にはメリットが大きいかも?
- 衝動性や多動など、ADHDの傾向がかなり強いように思う
- 二次障害も酷く、手帳を取得したい
- 努力が足りない、と自分を責めがち
- 少しでも自分を理解するきっかけが欲しい
※上記に当てはまらない人には診断を受けるメリットがないという訳じゃないです。
メリット
ADHDの場合は、投薬治療が受けられる

ADHDの場合、2019年9月の段階ではコンサータ、ストラテラ、インチュニブという投薬で困りごとが改善する可能性があります。
人によって「世界が変わった!」というほど効果がある人から、「副作用がただ辛いだけで効果がない」人まで、いろんな場合があることも確か。
私の場合、副作用で眠れず目眩やだるさに数ヶ月苦しんだけど、数日だけでも「なんだか頭の調子が良いかも?」という体験が出来たのは、自分を知るためにも良かったと思います。
経済的なメリット
私は手帳を取得していないので分かりませんが、かなりメリットがあるという意見もあります。
記事を書きました😄「発達障害の手帳を取得するか悩んでいる人に伝えたい3つのメリット」1⃣ 失業手当が3倍に延長 2⃣無利子でお金を借りれる 3⃣会社にばれずに数万円の減税 ☞数万円以上のメリットあり ☞デメリットはない ☞悩んでいるなら取得するべきhttps://t.co/aOimdJuSPf— 三原たか (@MIHRA_Taka) January 9, 2018
サポートが得られる
相性のよいお医者さんや支援グループに出会ったり、理解者が居る場合は、
心理社会的療法を受けたり、生活環境の見直しなどをして格段に困りごとが減る可能性もありますね。
当事者会、Twitterなどで当事者同士で繋がれるかも。
当事者会は、診断されてなくても発達障害の傾向を自覚する人なら参加できるものもあるみたいです。
納得がいく、対策が立てられる
私の場合これが一番メリットがありました。
私は自己診断する限りADHDだとばかり思ってたんですが、診断を受けたらなんとASD/ADHD併発型だと。
それまでADHD的ライフハックしか試してこず、うまくいかない場合もあったのが、ASD併発してると考えると納得がいきました。
また、今まで努力が足りないと思い自分を責めたり、間違った方向の努力をしてたのが、自分を客観視できるようになり、出来ることを伸ばそうと思えるようになりました。
発達障害との診断がつくメリットの1つとして、「自分に起きていた謎現象の説明がつくようになる」というものがありますね。自分の特徴について自覚できるようになることは、QOLの向上につながると思います。1人1人て探りで自分探しをする状況だけど、理解を助けてくれる人がいたらいいなと思います。— みらいのリスト@発達障害と暮らしの情報 (@mirailist) April 24, 2019
デメリット
時間や金銭的な問題
都心だと予約がいっぱいで診断まで何ヶ月もかかる場合もあるらしいです。
私の場合わりとスムーズで費用も控えめに済みました。
診断がおりるまで約1ヶ月間かかり、約1万7千円(4回診察、検査)でした。服薬治療の期間を含むと約3ヶ月で合計3万弱(3割負担で)。
自立支援医療制度を利用すると負担額が減るので、治療を続ける場合は利用しましょう。
誤診、治療法がない場合も
日本には発達障害を診断できる医師がまだ少ないため、発達障害に似た症状を呈する不安障害や愛着障害なども発達障害と誤診されるケースがあるようです。
またASDの場合投薬治療はいまのところ無いため、診断を受けただけで終わってしまう場合も。
私はADHD治療薬の副作用が酷くて効果が少なく、ADHDの困りごと、二次障害やASDに対してはカウンセリングなどもないまま、治療が終了してしまいました。※カウンセリングがある病院もあります
「数ヶ月かかって成果こんだけかぁ・・・」
って若干気落ちした感もあります。
「診断=一気に解決する」というものではなく、診断が下りても治療の効果がないこともありえることも頭の隅に入れて置くのが良いかと思います。
理解を得にくい

せっかく診断がおりても「発達障害」をオープンにするのは勇気がいりますよね。思ったようなサポートが得られない事も。
クローズドならその心配はないけど、クローズドで居るということは「困ってるのに頼れる場所があまりない」ということ。
私の場合クローズドで治療を始めたため、治療薬の副作用が酷く体調不良が3ヶ月続いた時、誰にも言えないし元気なふりをするのが結構大変でした。
治療を始める前に、親しい人だけに打ち明けるとか、休みを取れる環境を整えておくなどすると安心かと思います。
保険に加入しづらくなる?
私は診断受ける前から保険に入ってたため分かりませんが、診断後は掛け金が高くなったり審査で落ちたりもするようです。
診断を受ける前に生命保険などの各種保険に入っておくべきだったという声も聞きます。
診断がおりない「グレーゾーン」問題
「グレーゾーン=症状が軽い」訳ではないのに、幼少期の状況が分からなかったり、診断基準から多少外れているなどの理由で発達障害という診断が下りない場合も。
そうするとなかなか本人が納得できなかったり、却って「やっぱり努力が足りないせい」などと自分を責めてしまう場合もあるよう。
診断が全てとは考えず、ひとつの目安だという気持ちで受診した方がよさそうです。
セルフ・ハンディキャッピング
今まで自分を責め続けてきた人にとっては、病名がつくことで安心できるのは良いことですが、その反面「病名に甘えて改善をしようとしなくなる」場合があるという話も時々耳にします。
私は発達障害の早期診断早期療育賛成派だけど、診断もらう最大のデメリットの一つが、子供の能力を過小評価して「どうせできないでしょ。どうせ間違えたんでしょ。そういう障害なんだから」って決めつけがちになっちゃうことだと思ってる。思い込みと決め付けですぐ長男叱っちゃう最近の私ヤバイかも— pika (@pikaeeveepika) September 13, 2019
自分で「気をつけよう」と意識するだけでもかなり違うと思うので、そういう問題があると予め分かっておくことが大事かなと思います。
まとめ
最初に書いたことと同じになってしまいますが、ここで挙げたデメリットは本人が理解して、気をつけていれば対処できるものが多いです。
なので、デメリットを頭に入れた上で「何に困っているか、どうしたいのか」考え、薬や医者を頼りすぎずいろんな方面からアプローチしようというスタンスで診断を受けるとメリットが大きいと思います。
次回は実際に診断を受けたときの様子をレポートしたいと思います。
参考:
- シリーズ「発達障害と間違えられやすい症状」 第1回 不安障害
- 発達障害(特にASD・旧アスペルガー症候群)と診断について
- 大人の発達障害の診断基準は?診断を受けるデメリットはある?診断書があることで利用できる支援などを紹介します
Twitterを参考にさせていただいた皆様、ありがとうございました。
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